あなたには才能がある!
わたしの信念は、人間には、みんなそれぞれその人にしかない才能をもっているということ。
誰もが活躍できる場所があって、そこで活かせる才能をもって生まれてきています。
この世に生まれてくる確率は、何億分の1という奇跡的な数字。その遺伝子が、何の才能もないはずがない。
では、なぜ才能がある人とない人がいるように見えるのだろう?
そのヒントは、「才能の種」ではないかと思っています。
誰もがその人の心の中の、地下資源にあたるようなところに「才能の種」を植えています。
その種がどうしたら芽生え、花を咲かせることができるのか―。本人はそれを知っています。
つまり、「心のアンテナ」のようなものがあるのです。
心のアンテナに従って、「人」「本」「体験」といった栄養素を自分の中にしっかりインプットし、栄養としてためていくと、自分の中に眠る才能の種がどんどん成長していきます。
種は地面から外へ芽吹き、紆余曲折しながらどんどん右へ、左へ、迷いながらも地上に伸びていきます。
土中を這い上がって、重力とは反対の方向へ伸びていくので、相当な努力と、忍耐と、地道な一歩と、柔らかい土をかき分けて判断する力が必要です。
こうして、「才能の種」は初めて芽を出して、花になる可能性を持つことになります。
この世で、才能を活かして活躍している人々は、みーんなこの地中での生活を耐え、いつか芽を出し、花開くことを夢見てがんばり続けました。 だから今、素晴らしい花を咲かすことができています。
しかし、多くの人は、地中に才能の種を眠らせたまま。芽を出すために、地中でしぶとく、忍耐強く、がんばり続ける必要はあるけれど、その努力を尽くせずに終ってしまった人が才能を活かしきれない人々という感じです。
人間にはそれぞれ、その人にしかない才能があります。
そう考えれば、才能があるか、ないかということは見え方の違いでしかないと思いませんか。
才能を磨くには意識して生きること
誰もが「才能の種」を持っているが、なかなか見つけることができなくて苦労しています。
才能を発見する方法は、日常の些細な行為のなかに潜んでいます。
それは、自分が気付かずにやってしまう行為を振り返ること。
たとえば、わたしのチームの一員に、誰がどんなポジションに配置すれば、いちばん能力を
発揮できるかを考える社長がいました。
彼は、根っからの人事気質なのでしょう。この才能を伸ばすためには、とにかく量をこなし、
勘を鍛えること―と、わたしは考えました。
漫然と、のんべんだらりと生きるのではなく、自分の才能を意識し、さらに成長させるために
チェック項目を作って、毎日を送る。
その社長には、「毎日出会う人を5分以内で、どんなことに向いているかを考えられるよう意識しましょう」
ということをアドバイスしました。
ほかにも、大リーグで活躍しているイチローを思い浮かべてください。
彼は、自分の才能を引き出すために「素振り」をします。
しかし、彼の素振りは、単なる素振りではありません。
一回一回の素振りで、自分なりのチェック項目を意識しながら素振りしているので、
するほどに経験値も、勘もアップしているようです。
わたしたちが持っている可能性というものは、意識しないかぎり発揮できないものだと考えています。
日常がそうなれば、きっと才能の種は成長するばかりです。
才能をそのまま眠らせている人、いませんか?
周りに才能を眠らせている人がいたら、ぜひ皆さんが気付き、その人に才能の種の片鱗を
伝えてあげてください!
得てして、本人はその才能に気付いていないことも多いのです。
わたしの周りにも、才能に気付いていない人がいます。特に親しい人の中に眠る宝物のような才能が
輝き始めたときは、大興奮します。
才能を信じれば人生は開ける
一人ひとりの中に才能が眠っている。そのことを、それぞれが信じることから、すべては始まります。
まず、一人ひとりが宝物のようなピッカピカの才能が自分にあることを信じられると、
自分以外の他人にも「そんな才能があるのではないか?」と、お互いが思うようになります。
そうすると、お互いがそれぞれの才能を探り始める循環が生まれます。
お互いのなかに宝物があると信じていれば、「あなたの宝物(才能)って、これなんじゃないの?」と、
フィードバックをし始めることにもつながるはずです。
そうやって、お互いの宝物のような才能を認識しやすくなります。
「あなたの中には素晴らしい才能がある」
こんな教育を小さいころから受け、先生からも両親からも絶対的な愛で
「あなたの中には、あなたらしい、あなただけの宝物が眠っているんだよ」と
接してもらっていたら、どうなるでしょうか?
子どもだけでなく、大人も含めたすべての人が、「自分がどう扱われているか」ということから、
自分の価値を判断し、存在を受け止めます。
期待されることで、その相手も期待に応えるような人になるという「ピグマリオン効果」というのも、
実際にあるくらいです。
ある平均的な点数の生徒たちを二つのグループに分けて、3カ月の実験をしました。
Aグループには、教師が「あなたたちは、頭が良く、潜在能力がすごいのでAグループになりました。
これからも、あなたたちの成長が楽しみです」と伝え続けました。
Bグループには、教師から「あなたたちは、頭が悪く、あまり期待できないのでBグループになりました。
これからも、あまり期待できません」と言い続けたのです。
同じ点数を取っていた生徒たち。
意識付けを変えるという実験をおこなった3カ月後、AグループとBグループの間で、
点数が大きく開いてしまったのです。
いまお伝えした実験こそが、ピグマリオン効果です。
親が子どもに
「あなたは優しく、愛があり、人を信じ、自信を持ち、人を尊敬し、すべての人を受け入れ、勇気がある人間なんだよ」
という気持ちで接し続けたら、本当に子どもはそうなります。
逆に、「あなたは悪い子で、愛もなく、自信も持てるようなこともなく、何もできない人間だ」という
扱いをすれば、子どもはそのようになってしまうのです。
子どもの運命を決めるのは、親の扱い方ひとつなのです。
これほど、人は人に影響受けるのです。
特に、愛している人から受ける影響は計り知れないほど大きなものです。
信頼している上司。愛している恋人、家族。身近になればなるほどこのピグマリオン効果は
高まります。
自分のことを愛し、肯定し、受け止めてくれる仲間や家族がいれば、自分はなりたい自分になれるのです。
わたしは今、愛のある仲間たちと一緒にいることを選んでいます。そうすると、
自分がそのような人間に近づいていけるという喜びを感じています。
間違いなく言えることは、あなたの中に、あなただけの宝物のような才能があるということです。
そして、それを見つけられるのも、見つけられないのも、あなた次第であり、
また、あなたの周りの人次第なのです。
周りにいる人は、あなた自身の鏡でもあります。
あなたは誰を選び、誰に何を期待し、どう変化していますか?
自分自身の天才性を見つけるためにも、
身近な人の天才性を信じてみてください。
みなさんの人生が天才に囲まれて続けていることを、
確信しています。