はじめに、
自分のことが大好きだと思える人は、どのくらいいるでしょうか。
わたしたちは大人になるまでのあいだ、「自分には価値がない」「才能がない」と考えさせられてしまうような出来事に遭遇してきたかもしれません。
周りから言われて、そう思ってしまうこともあったかもしれません。
この記事を読んでいる人は、「自分を大好きになりたい!」と思い、そう変わりたいと願っている人が多いのではないでしょうか。
そこで、
「人が自分自身を完全に受け入れ、自分に○(OK)を出せるようにするためのヒント」
を、あらためて紹介したいと思います。
4つの承認レベル
自分自身を完全に受け入れ、承認するには4つの段階があります。
【レベル1 成果承認】
結果や成果が出たときに、自分自身を認めたり褒めたりして、「○(OK)」を入れること。
【レベル2 行動承認】
自分がしようと思った行動を取れたときに、自分自身を認めたり褒めたりして、○を入れること。
【レベル3 意識承認】
自分が何かをしようと思ったということに対して、自分自身を承認すること。
【レベル4 存在承認】
自分自身の存在自体をそのまま承認すること。
レベル1の成果承認と、レベル2の行動承認までは、多くの人ができる段階です。
結果が出る自分を受け入れること、これも大切なことです。
ところが、レベル3の意識承認から、「○を出せない」という人が増えてくるようです。
結果を出せた自分を受け入れられることも素敵なことですが、
さらに自分を受け入れられるようになってみませんか。
例えば、
「朝、起きようと思ったけれど、起きられなかった」とします。多くの人は、起きようとした自分へは「○(OK)」を出せず、起きられなかった事実に「×(バツ)」をつけます。そうすると、落ち込み、自分の心のエネルギーが下がります。
心のエネルギーが下がると、比例するように、ますます行動しようというエネルギーは湧きません。行動が生まれず、成果も生まれず、承認することができなくなるという落ち込みのループに入ります。
わたし自身がかつて「うつ病」になったのは、この悪循環があったからでした。
逆に、この「意識承認」ができるようになるとどうなるでしょうか。心のエネルギーが高まり、行動したいというエネルギーも湧き、行動が生まれ、成果も生まれるという承認の連鎖が起きます。
秘訣は褒める基準を限りなく下げること
この「意識承認」をするための秘訣は、
とにかく自分自身を認め、褒める基準を下げることです。
リターンスクールの共同創始者の平井ナナエさんは、この基準を下げる天才です。
例えば、ナナエさんが朝起きようと思って、起きられなかった場合、こんな風に自分にマルをいれます。
・まず、朝起きようとした自分に○。
・結果、時間通りに起きられなかったとしても、起きた自分に○。
・起きて、歯を磨こうとした自分に○。
・服を着替えようとした自分に○。
・会社へ行こうとした自分に○。
「えー、そんなレベルまで「○(OK)」するの?」
と驚くかもしれません。それほどまで基準を下げ、とにかく自分自身に○を入れます。そうすると、自分自身の心のエネルギーが下がることなく、逆に満タンになります。結果、行動しようというエネルギーも湧きます。
ある女性は1カ月間、「一日40個、絶対にマルを入れる」という意識で過ごしたそうです。そうしたところ、自分自身についての小さなことにマルをどんどん入れられるようになり、どんどん気持ちが楽になり、結果、「自分悩んでいたいろんな悩みが嘘!!」という状態になったそうです。彼女の顔は1カ月前とは別人のように、いきいきと輝いていました。
朝から夜まで意識承認レベルに○を入れると、こんなふうになります。
・ 朝起きようとした ○
・ 歯を磨こうとした ○
・ 服を着替えようとした ○
・ 会社へ行こうとした ○
・ 会社であいさつしようとした ○
・ 習慣の体操をしようとした ○
・ 約束の時間に間に合うために、電車に乗ろうとした ○
・ お客様のクレームの電話に出ようとした ○
・ 1時間で約束の資料をまとめあげようとした ○
・ 営業電話を一日に10件かけようとした ○
・ ダイエットのため、昼ご飯を少なめにしようとした ○
・ 午後に眠いのを我慢しようとした ○
・ 昼寝を10分してしまった自分を許そうとした ○
・ 話したくない上司と話そうとした ○
・ 苦手なお客様に話そうとした ○
・ 19時までに帰るため、仕事を早く終わらせようとした ○
・ 帰ってから本を読もうとした ○
・ 24時までに寝ようとした ○
・夜の体操をやろうとした ○
一日の生活で、自分が意識したことをすべて○に変えて、意識承認をすればするほど心のエネルギーが上がります。そうすれば、自然と行動につながり、行動したら、いつかは必ず正解にたどりつきます。
「存在承認」ができると、最強になる
この次の段階が、自分自身の存在をそのまま承認する「存在承認」になります。これができるようになると、もう最強です!なぜなら、何もしなくても自分に○という状態になっているからです。
・成果がでなくても○
・行動しなくても○
・意識しなくても○
・ただ、いるだけで○。
この状態を感じられるようになったとしたら、生きているのが楽になると思いませんか。存在承認を完璧にできるようになると、本来あるべき自分に還ります。自分がいるだけで○。どんな自分であっても、○を出せるようになるのです。
みんな愛しく価値ある存在
講演会で、いつも質問することがあります。
「赤ちゃんに価値があると思う人は、どれだけいますか?」
そうすると、ほぼ全員の方が手をあげます。
そうなのです。
みんな、生まれたばかりの赤ちゃんには価値があると思っているのです。そのままで、そこにいるだけで価値があった赤ちゃんが、学び、いろんなものを吸収しながら成長し、今のみなさんになっています。
すべての人が、そのままで価値があり、愛されるべき存在で、天才なのです。
しかし、私たちは、大人になるまでに何度も「自分には価値がないのではないか」と思わされるような出来事に出合ってきました。
あるときは、周りから「価値がない」というレッテルを張られたこともあったでしょう。
それを受けて、自分でも「自分はだめだ」と悩んだこともあったかもしれません。
しかし、そのことを手放してしまいませんか?
決めた瞬間から、人は変われる
今、この文章を読んでいる人のなかで、存在承認に大きな「○」を出せない人は自分に聞いてみてください。
「今のままで いいですか?」
「はい」と答える人は、どうぞ、そのままでいてください。
もし、「いいえ」「今のままでは嫌です」と答えるのであれば、「今の自分から変わる」とまずは自分が決めてください。
たとえ、どんな過去があり、自分自身に価値がない!と思うような出来事があったとしても、未来永劫これからもずっとあなたに価値がないなんて、誰にも決められません!
自分を存在承認したいのであれば、まず自分が「変わる」と決めることです。
そして、「変わる」と決めたなら、「意識承認」からトライしてみてください。
「意識承認」ができるようになったら、自分の「存在承認」をしてください。
たとえば、こんなことからやってみませんか。
・ 朝起きて自分の体が呼吸をしてくれていた ○
・ 心臓が動いてくれている ○
・ 胃が動いて、消化してくれている ○
・ 脳が動いて、いろんなものが判断できている ○
・ 肉体というものがある ○
・ 自分という生命が、この世に存在している ○
どんどん存在そのものに「○(OK)」を入れ続けることによって、私たちは究極の「楽」な状態になっていきます。「意識承認」を続けた先に、「存在承認」という最強で最幸の自己肯定の状態が訪れます。
「存在承認」でなれる幸せな状態
「存在承認」ができるようになると、毎日が幸せでたまらない、自分が大好きという状態になるでしょう。
1、 人と比較しなくてすむ
2、 誰かから認めてもらおうという意識や行動がなくなる
3、 周りの目が気にならなくなる
4、 お金や地位や名誉や物などで、自分の価値を証明する必要がなくなる
5、 人への不満や怒りが起こりにくくなり、平穏な気持ちで過ごせる
6、 常に幸福感に満たされた豊かな気持ちで毎日を過ごせる
こんな幸せな状態になれる自分を目指してみませんか。
そう思えば、必ずできるようになります。