11月10日に高倉健さんが亡くなりました。
追悼の意を込め,様々な番組で高倉健さんの特集が組まれました
私も高倉健さんが発するあの独特の空気感が大好きで、
高倉健さんから学ぶ事はないか?という視点で特集をずっと愛娘を
抱っこしながら観ていました。
そんな高倉健さんから学んだことをまとめてみます。
1つ目の大切なこと 「人を想う強さ」
健さんは、インタビューの中でしきりに こう答えられていました。
「人が人を想うっていう美しさは素晴らしい。」
健さんは、いつも映画の撮影の時、スタッフ一人一人に言葉をなげかけ
共演者とも撮影が終わった最後の日、想いのあまり涙を流されていました。
寡黙にいつも人を想うという美しさを追求していた
健さんらしい姿がそこにはありました。
この人を想う強さこそが 高倉健という1人の男の存在感と魅力に繋がった
のではないでしょうか?
こんな実話がある。
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郵便物が届いた。開けてみると木の箱に入った上品なお線香の束と、丁寧だが簡潔な手紙が入っていた。
高倉健さんからだった。
母によると父と高倉さんは決して親しい間柄ではなかったそうだ。映画で御一緒したこともないはずだという。想像するに、撮影所などで顔を合わせた際に挨拶を交わす程度のおつき合いだったに違いない。
そんな間柄を思い気遣ってくださったのだろう。通夜告別式の席に花を送るではなく、弔電を打つでもなく、葬儀が終わりほっとして家族にやっと哀しみが訪れる時を考えて、それも相手が決して不要とは思わないお線香を送ってくださる──、
何という優しさ、人への思いやりだろうと思った。多くの人に愛されるスタアとは、本当に素晴らしい役者さんとはこういう人のことだと思った。
母と僕は頂いたお線香に火をつけ、父の遺影に静かに手を合わせた。
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さらに
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真冬の福井へロケに行った際、高倉は休みの日だったが、ロケ現場へ激励に現れた。
厳冬下であったので、出演者・スタッフは焚火にあたっていたが、高倉は焚火にあたろうとしない。
スタッフが「どうぞ焚火へ」と勧めたところ、高倉は「自分はオフで勝手に来た身なので、自分が焚火にあたると、皆さんに迷惑がかかりますので」と答えた。
このため、スタッフだけでなく、共演者も誰一人申し訳なくて、焚火にあたれなかったと発言している。
やがて「頼むからあたってください。健さんがあたらないと僕達もあたれないんです」と泣きつかれ、
「じゃあ、あたらせていただきます」となり、やっと皆で焚火にあたることができた
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さらに
撮影時に自宅を休憩所代わりに貸していた木山キミさん(88)は、「(当時)健さんがしているマフラーを私の首に巻いてくれて。『よろしいんですか?』と聞いたら、『いいんです。風邪をひかないでください』って言ってくれて…」と瞳を潤ませながら振り返った。
世界中が高倉健と仕事がしたいとオファーが集中したのは、
この人を想う気持ちの強さの人間力に惹かれて、
様々な俳優、監督、スタッフがまた高倉健と仕事がしたい!と
想えたのです。
本当の愛を持った人だったから、これほどの人気が出たのだと思います。
これは私たちの仕事でも同じではないでしょうか?
人を想う気持ちの強い方は、お客様からも同僚からも好かれ、
その人と一緒に仕事がしたいと仕事が集中する。
1つ目の学びは、「人を想う強さを強め、人を深く愛する事」
2つ目の大切なこと 「感性を磨くこと」
健さんは、インタビューの中で
「自然と演技をしていたら、その場面を深く感じたら涙ってでちゃうじゃないですか。」
と語っていらっしゃいました。
健さんは常に自分の感性を高めるため
新たな地へ旅へ出たり、
新しい感性をくれる小説を読んだり、
映画を観たり、
美術館を巡ったり
常に自分の感動するという感性を磨き続けたそうです。
「役者が感性を失ったらおしまいだ」という言葉も残されているそうです。
健さんの魅力は、死ぬ直前まで続いた飽く無き自分の感性を高める
成長の深みからくる味わいが私たちの心を打ったのではないでしょうか?
感性の深みからくる人間らしさがその姿に魅力を感じたのではないでしょうか?
感性が素晴らしいという実話。
1990年(平成2年)のロッテの村田兆治投手の引退試合中継を見て感銘を受け、
それまで面識も無かった村田の住所を関係者に一通り尋ねて調べ、
さらに留守中だった村田の自宅前に、花束を置いて帰った
私たちの仕事でも同じではないでしょうか?
感性が高い方は、人の気持ちを深く理解します。
結果、お客様とも社員とも素晴らしい人間関係が築け、
素晴らしい結果が生み出せます。
2つ目の学び
「感性を高め続け、人を深く感じれる人になること」
3つ目の大切なこと「1つを貫くこと」
高倉健さんがずっとこだわりを持たれた事は、
■私生活もすべて役をこなすこと使う
■派手に生きず、質素に生きる事。
だったそうです。
それは、自分の日々の生き様がすべて役者が演じる演技に現れるから!という信念があったそうです。
例えば、刑務所から出た男が初めて飲むビールと食べ物を食べるシーンのために
前日2日食事をとらずに、食べれない人の気持ちを全身で自分が表現できるようにしたりしたそうです。
自分のプライベートまで全てを俳優で生きる高倉健というプロの姿勢に
私たちは映画を通して感動をしたのではないでしょうか?
私たちの仕事で置き換えると、
自分の仕事に就いてこれほどのプロ意識をもって取り組んでいるか?
という問いに変わります。
高倉健さんは、365日24時間ずっと役者で居る自分の仕事のことを
考えて生きておられたようです。
みなさんは、どうでしょうか?
自分の仕事や自分の使命について、365日24時間考えつづけられる
プロ意識をもって働く事ができているでしょうか?
この意識をもって働くからこそ、そこに感動が生まれるのだとおもいます。
3つ目の学び。
「1つの事を貫き、人生全てを使命につぎ込むプロ意識」
4つ目の大切なこと 「背中で語る」
高倉健さんは、とにかく寡黙で不器用な男を演じることが多かった。
それは、プライベートでも同じだったそうです。
多くを語らず、背中でみせる。
語る事よりも、自分の生き方で魅せることを
高倉健さんは選ばれたのだと思います。
その生き方に多くの方が魂で共感をし、高倉健という役者だけではなく、
その存在自体に魅了をされたのではないでしょうか?
こんなエピソードがある
高倉のファンである映画監督・張芸謀(チャン・イーモウ)は、
『単騎、千里を走る。』の撮影の際、高倉が休憩の時に椅子に一切座らず、他のスタッフに遠慮して立ち続けていたことや、
現地採用の中国人エキストラ俳優にまで丁寧に挨拶していたのを見て「こんな素晴らしい俳優は中国にはいない」と発言している。
みなさまは、本当に人に伝えたい事を「背中でどれだけ語れているか?」
という問いになるとおもいます。
本当に伝えたいことを、言葉ではなく、自分の行動で魅せること。
これが本当の格好良さなんだとおもいます。
4つ目の学び
「語って伝えるのではなく、行動と背中で伝えれる本物になること」
5つ目の大切な事 「良き人に出会うこと」
あるとき、1人の少年が高倉健に質問をしたそうです。
少年
「どうしたらあなたのようになれますか?」
高倉健
「おれは、良き人に恵まれ
良き環境に身を置けた。
そしたら、良き風が吹いたからこうなれた」
つまり、健さんは、良き人間関係の環境を選べと
言っているのではないでしょうか?
偉人が残した言葉でこんな言葉があります。
良き環境が、良き言葉を生む。
良き言葉が、良き思考を生む。
良き思考が、良き行動を生む。
良き行動が、良き習慣を生む。
良き習慣が、良き人格を生む。
良き人格が、良き人生を生む。
だから、まず何よりも最初にどんな環境を選ぶか?
が人生にまで後々影響を与えてしまうのだ。
良き環境とは、どんな人間関係の中に身を置くか?
ということだと思う。
愚痴ばかりをこぼすメンバーの中に居れば、その言葉が頭にうえつけられる
お金儲けばかりを考えるメンバーの中に居れば、その言葉が頭にうえつけられる
自分の成長を本気で考えているメンバーの中にいれば、その言葉が頭にうえつけられる。
本気で相手の事、人々の事を想い、自分に何が出来るか?
ということを考え続けているメンバーの中にいれば、
その言葉が頭にうえつけられる。
あなたは、今どんな環境を選んでいますか?
5つ目の学び
「どんな人間関係の環境を自分は選んでいるか?」
高倉健さんは、亡くなったかもしれないが、
映画という永遠に残る映像の中に魂が生き続ける。
何を学べるか?
そんな視点で高倉健さんの映画をみてみたら、
また違う感動を味わえるかもしれない。
是非高倉健さんの映画を見直してみてください。
きっと感性が刺激される素晴らしい体験が味わえます。
ぼくの個人的なオススメは、「鉄道員(ポッポヤ)」です。
最後の遺作になった「あなたへ」も感動溢れる映画なようです。
今日のまとめ
「あなたの魅力を高める5つの問い」
問1 今あなたはどれくらい人を想えていますか?
問2 感性を高めるため具体的にどんな行動をとっていますか?
問3 365日24時間のうち、どれくらいを使命の為に使えていますか?
問4 言葉ではなく、行動という背中で人に伝える事はできていますか?
問5 あなたが選びたい環境はどんな人々がいる環境ですか?